お知らせ

『それぞれの立場』

 

 テレワークにウェブ会議、リモートにワーケーション。

 新型コロナウイルス感染が世界中を席捲してからそれまでは聞き慣れない横文字を日常でよく見かけるようになりました。

 テレビやラジオのトップニュースでは都道府県別の感染者数や病床使用率が連日のように報道されています。

 その日一日の数値が急増した都道府県の知事は、記者会見の場で記者達から今後の対策を必要に迫られ、発信力が弱くメディアにあまり取り上げてもらえない首長はSNSでの誹謗中傷の声が絶えません。

 ましてや、発信者が特定されない(されにくい)ツールにいたっては、なおのこと聞くに堪えない言葉の連続です。

 私たちが生きていくうえで何をするにしても立場をわきまえるのは大人としての大切な流儀です。

 受け手や相手にはその人なりの立場というものがあってしかるべきなのです。

 とりわけ、パソコンやスマホが全国民に普及し、加えてコロナ禍以降は自分の立場を『大』にして発信発言することが加速化したような気がしてなりません。

 領域は違えど、権力や立場が大きくなればなるほど、一歩下がり謙虚に深く広い見地で人や物事に対し熟考し発信しなければならないと自省も込め感じるこの頃です。

 湖国滋賀でもいよいよオンライン教育やICT教育が本格的に始まろうとしています。

 自ら主体の「~ファースト」ではなく、優しさや思いやり、歩み寄りの気持ちのある「人間味あふれる」子ども達や若者が育まれる教育現場が構築されることを心から願います。

 滋賀県議会でも長年にわたり議論されてきました『滋賀県立美術館』がいよいよ次の日曜にオープンします。

 新美術館のH館長・ディレクターは昨夕のNHKニュースで「新しく出来る美術館を『無私』の心でつくりたい。お客様や作家を迎えたい」と話されており、たいへん力強く感じました。

 コロナ禍の今だからこそ、H館長の様に、せめて心持ちは一人ひとりが『利他の心』を磨くことを胸に日々過ごしたいと思います。

 「それぞれ立場を尊重し、皆で肩寄せ合い、この時代の難局を乗り越えていきたい」

  満開に咲く庭の紫陽花や草花の一枚一枚の花びらが一人ひとりの顔に見えた早朝でした。