お知らせ
甲子園目指す球児の夏が二年ぶりに湖国に帰ってきました。
第103回を数える歴史と伝統ある「全国高等学校野球選手権大会滋賀大会」に先日足を運びました。
今年は開会式に出席出来なかったことのお詫びと、開会までのご尽力に対する感謝、激励に今年も役員室をお訪ねし、しばし懇談させていただきました。
同時刻、母校栗東高校の試合があるとのことで、後輩たちを応援するため一塁側スタンドに陣取りました。
『今年はピッチャーがええし、甲子園も夢ではないで!』
『久しぶりに県立高の快進撃や!』
思い思いの気持ちを口にされる保護者さんやOB会の方々の横で期待に胸が膨らみます。
私も大津市立皇子山球場一塁側スタンドは生徒会長時代、応援団を結成し、学ラン・襷姿で金属バケツの水を頭からかぶり応援していた汗と涙の思い出深い場所。
今大会注目のK投手の好投と打線がつながり1回戦は母校が4対1で勝利しました。
そして、昨日の2回戦。
相手はお隣の強豪 草津東高校。
議会閉会後、県立彦根球場まで行くのは時間的に厳しいため、スマホのライブ中継で一球一打を目に焼きつけました。
手に汗握る両投手の投げ合いに試合は延長戦へ。
1球のミスが明暗をわける白熱の戦い。
そんな中、バッターボックスで強振した相手打者がファウルを打った後、倒れ込んだのです。
『どうしたんだ!』
スマホ画面を凝視する私。
熱中症で足がつったのか、自打球があたったのか、それとも・・・。
何事が起ったのか解らない中、その瞬間、一番近くにいた母校栗東の捕手が相手チーム打者の足をさすり、こむら返りのしびれを手当てし始めたのです。
球審はもとより味方チームがベンチから出て、周囲には両校選手の人だかりが・・・。
審判団はじめ皆が心配そうに栗東の捕手と怪我をした草津東の打者の行方を見守っていること約4分。
ホームベース上にタンカが運び込まれ草津東の選手はベンチへ運ばれました。
心配そうに見守る後輩捕手。
この間の光景にスマホからの放送も静寂が・・・。
この両校球児らの紳士的な振る舞いに胸が熱くなりました。
多くのファンを魅了する高校野球。
正しくひたむきに、かつ懸命なプレー。
トーナメント戦で一回負ければ終わりの中でも、相手を思いやる優しさと心持ちの強さを彼のその瞬時の行動から強く感じました。
貴方のあの時のふるまいを私は忘れません。
延長13回。
4対3。
滋賀大会史上初のタイブレークで母校は惜しくも敗れましたが、勝負以上の誇り高きプレー。
真のスポーツマンシップとは何たるかをみるものに深く刻み込んだ真摯な姿勢。
爽やかな美風が県立彦根球場全体を包み込んだ好試合に一晩たったいまも嬉しさがこみ上げてきています。
『М捕手ありがとう。』(拝)