お知らせ

『オリンピアン』

 オリンピック選手やオリンピック出場選手のことを『オリンピアン』と呼びます。

この名はオリンピック発祥の地、ギリシャのテッサリア地方にある標高2,917mのギリシャ最高峰の山の名前、古代ギリシャ語のオリンポス山が語源とされています。

 新型コロナウイルス感染拡大が続く中での東京オリンピック開催の賛否に揺れる日本。

 祝祭ムードこそありませんが、全力を尽くした試合直後の選手のコメントからは一年延びながらも、コロナ禍の中でもオリンピックに出場できたこと、プレーできたことへの周囲の人々に対する感謝の弁に胸が熱くなります。

 勝者以上に敗者の言葉はなおさらです。

 昨日も、体操のエース内村航平選手や競泳の瀬戸大也選手、ウエイトリフティングの三宅宏実選手が敗戦の言葉をテレビカメラを前に素直に述べられていました。

 その言葉や表情の端々から、彼ら彼女らがどれだけこの間苦労してきたのか、オリンピアンとしてどれほどの期待と重圧があったのか、痛いほど感じられました。

 『勝つことばかり知りて負うる事を知らざれば害その身に至る』

 後年、戦国武将徳川家康が遺した人生訓の一部と重ね合わせれば、負けた己が姿を素直に見つめ、足らざるところや志を問い直すことの大切さ、尊さを敗者のオリンピアンの言葉の重みは私たちに教えてくれます。

 柔道女子48キロ級初出場で銀メダルを獲得した渡名喜風南選手は昨日、決勝で負けた直後のインタビューで大粒の涙を流しながら開口一番「自分の弱さが出てしまいました」とコメントしました。

 あの激戦を終えてすぐ、己が負けを認め、分析し、自分は何者かを他でもない自分自身にしっかり問いかける姿にとても感銘を受けました。

 食事から睡眠、余暇に至るまで己を律したものにしかないオリンピアンの目の輝き。

 高い目標や目的意識ゆえの習慣づけ。

 自らに「今、何を課すべきか」をオリンピアン達から日々教えてもらっているコロナ禍の盛夏です。