お知らせ
明日8日から今月末日まで、滋賀県内13市が重点措置を講じる区域となり、対策を強化する特別警戒ステージⅣに引き上げられました。
そして先日、政府からも医療体制非常事態『まん延防止等重点措置』が出されたのです。
不要不急の外出自粛の徹底はもとより、飲食店等の営業時間の短縮に加えて、酒類の提供時間規制や酒販店の販売規制など、関係者にとっては死活問題となる重点措置が感染拡大対策の強化としていよいよはじまります。
コロナ感染拡大以降も、酒類提供や時間短縮の要請がなかった湖国滋賀、とりわけJR新快速の停車駅、片道一時間以内で移動できる大津や石山、南草津、草津、守山の駅前飲食店には県外から「一杯やり」に学生や社会人の方々が多数来訪したことで、これまでは何とか営業継続できていた店舗にもいよいよ自粛の波が来たのです。
私自身、大学時代からコロナ以前までは、週末ともなると深夜帰宅途中、スポーツ新聞やスマホ、缶ビール片手に駅のホームや駅前のベンチで泥酔するサラリーマンの姿をよく見かけましたが、ここ数年はそうした光景を見ることもめっきり減りました。
「今夜、少し時間ある?」と、上司や同僚に誘われるがままに焼き鳥屋の暖簾をくぐり、一杯が二杯、三杯・・・。
ウイスキーのハイボールでスタートしたのがロックから熱燗へと杯が進むにつれ、店を出る頃には日づけが変わろうとしていたのも懐かしい思い出となっている方も多いのではないでしょうか。
私も『赤鬼』か『お多福』の如く赤ら顔で帰宅し、就寝前、歯磨きのため鏡に映る自分の顔をみながら情けない思いをしたのも昔日の感があります。
芸術文化や芸能の仕事をしていた頃などは、翌朝、二日酔いで苦しむと「酒のない国に生まれたらよかったのに」と自省を込め独り言をつぶやいていたこともありました。
今から思えばあの頃は、「よくもあれだけ呑めたものだ」「あれだけ呑める時間とお金があったものだ」とつくづく思います。
新型コロナウイルスの感染拡大が想定外に全国で長期化し、『家呑み』があたりまえになってからはすっかり酒量も減った方も多いのではないでしょうか。
あの頃とは今は百八十度違い、コロナで経営苦境にたたされています飲食店や酒販店の方々からの悲痛な叫びを拝聴し、要望に応えるため支援の方法や対策書類を微力ながらお届けする日々が続きます。
落語の『長屋の花見』ではありませんが、酒ものまずに酔ったふりをではつれないものです。
やはり演目『芝浜』の如く、酒にのまれてはいけませんが、酒と肴をテーブルの真ん中にほどほど呑むことで話の潤滑油にしつつ、職場や仲間との人間関係も良好になることもしばしばあるのです。
辛苦を味わい眠りにつけない夜には、一杯の酒に救われ、翌朝気を取り直し「負けずに頑張ろう!」と自らを奮い立たせることもあろうかと思います。
「大人はなぜ酒をのむのか」
規制強化や重点措置を求めるだけではなく、支援や補償と同時に、行政や政治がどれだけ当事者の立場に寄り添いど真剣に「酒の友」となれるのか。
なって対策を講じられるのか。
飲食店のオーナーの本意となった施策や財政支援の真価が今、私も含めて何より問われているのです。
(拝)