お知らせ

『度量の大きさ』

 野洲・湖南・甲賀・東近江・米原の滋賀県内五市で昨日から市議会議員選挙がはじまりました。

 住民自治に最も近い市議会や町議会の議員選挙は、国政や都道府県議会議員選挙と違い候補者や街を走る選挙カーが多いこともあいまって、自治会推薦や地域推薦も加味されるが故に賑やかな一週間が続きます。

 しかし、今はコロナ禍。

 非常時の選挙。

 各陣営は工夫を凝らしながらの選挙戦を余儀なくされています。(私自身も東日本大震災直後の統一地方選を思い出します)。

 あわせて今回は国政選挙の公示が二日後に迫ってもおり、当該地域は月末まで賑やかになりそうです。

 

 さて、政治離れが進む中、投票率アップのための電子投票導入や、公共施設や商業施設での投票場所の拡張などの工夫も大切です。

 また、未だに自分の住む市町の選出された議員さんがどんな質問を何回くらいされているのか。

 選挙後の市議会や町議会の傍聴者にどれだけの方がいかれたことがあるのか。

 人口比率や傍聴者を増やすための議会事務局の工夫も必要だと日々感じています。

 滋賀県内でも未だに傍聴時に、傍聴者の住所や氏名を書かなければならない議会があることも問題で、本会議の採決はもちろんのこと委員会での議論も、もっと住民にライブでみてもらうことで議員や執行部が緊張感のある議会になると思います。

 更に申し上げれば、選挙前のみ無所属を標榜したり、党を四年間であちこち移動したりする方が、その時々どの会派に属し活動し、どんな考えで発言しているのかも是非こんな非常時だからこそ見ていただければと思います。

 

 元来『政治選挙は血を流さない戦争』とも言われており、政治を志す者にとって人生を懸けた戦(いくさ)だと言われています。

 最後には、悲しいかな得た数(量)で当選・落選といった形のみで勝者と敗者が分かれてしまうのが常です。

 「『選挙は選挙』。その後どう振る舞うのかがその人の度量の深さや大きさ。

 選挙後の言動こそが大事。とりわけどんなに辛くとも、何と言われようとも落選された仲間の事務所に行き、後片づけや掃除を必ずしよう」と自分自身、選挙が行われる度にいいきかせています。

 『身内さんは勿論。その時その場にいる人の顔をみよ!!』

 それこそが真の仲間であり、同志だと自らに言い聞かせているのです。

 

 そして、開票の翌々日からは戦った相手への怨み言を一切言わず、怨念をひきづってはいけない。そう自省を込め考えています。

 「たとえ相手が『不倶戴天の敵』であろうとも、『留飲を下げてしかるべき敵』であっても本人はもちろん、その後ろ、背景には家族はじめいろんな思いをしている多くの人達がいるんだ」

 「むしろ当選した陣営より、まずは落選した陣営を訪ねどう接するかが大切だ」と行動しています。

 十五年間、政治の世界に身を置き、「いい時は周囲に人が集まるが、悪い時には人は去る」

 このことは仕方のないこと。

 人情だと多くの現場で見てきました。

 

 相手が憎くて敵対関係にあったのではなく、立場や信条の違いによるものだけの戦いが『選挙』。

 決着がつけばあとは一時、政(まつりごと)に身を置いた(置く)ものどうし。

 『このまちや、このまちに住む皆さんの暮らしをどうよくするのか』のみを主眼に、共に切磋琢磨し、政策論争し、行政をチェックすればいいだけのことなのです。

 

 その人が『骨のある政治家だろうかどうか』。

 『この政治家は信念信条がぶれないかどうか』。

 『度量大きく』それぞれの議員さんと接していきたいと思います。

 

 当選のみ目当てで党を行き来したり、あえて選挙前だけ党名を出さずに『無所属』となられる候補者が年々増えてきましたが、政治信条のウイングを幅広く広げなければならない『首長選挙』以外は、やはり議員たるもの立場や信念を貫く重い政治家でありたいと心から思う昨今です。(拝)