お知らせ

『放下著』(ほうげじゃく)

物事が溢れる世に、時間に追われる毎日。今年も残すところ1か月余りとなりました。


「令和5年は振り返ってみれば自分にとってどんな一年だったろうか?」日めくりカレンダーが薄くなる度にそんなことを考える私。


断捨離と言う行いが流行って久しいですが、肩書き、地位、お金や財産、悲しく辛い記憶。


捨て離れてしまえば楽になるとわかっていても、せっかく手中にしたものを簡単に捨てられないのも人情。


歳を重ねれば重ねる程に荷物は増えていき、背中はどんどん重くなっていきます。


捨てるべき転機や節目を間違えていないか。


就職、転職、退職、結婚、離婚、失恋、自立等、進むべき方向や節目の決断を間違わない様に次の人生を目指せるのか。


物事に対する執着を捨ててこそ、『本当の素の自分』に戻れ、本来の自分に戻れるのではないでしょうか。


幕末の偉人 西郷隆盛は、「金も、命も、名誉もいらぬ人が一番扱いにくい。覚悟が違うからだ」と生前語られています。


「新しい歳を迎えるにあたり、煩悩妄想を断じ一切を捨て去ることで新しい自分の可能性が生まれ全てが生き返るのではないのか」。


厳陽という名僧が残した『放下著』の次なる修行精進の真の意味を考える日暮れです。