お知らせ

『爪の上の土』

法句経に「人の生を享けるは難し、死すべきものの、今、命あるは有り難し」と、人がこの世に生まれてくるのは「爪の上の土」程しかないと仏陀は教えています。


どれ程『稀有な生』を一日一日丁寧に生きてきたか、どれだけ善行を積んできたのか、年の暮れに自省しながら考える日々です。


自らを護り自我を通すと言った自分勝手な素行をしてこなかったか。


大晦日の多忙さにも似て追い立てられる様に限りある時間を費やしてこなかっただろうか。


家を引き渡した後の方の為に、隅々まで綺麗に掃除し、バケツに真新しい雑巾をかけ、玄関に水をまき、一輪の草花をおすだけの心の余裕をもちたい。


小庭があれば次の春にチューリップやヒヤシンスが咲いたらと家出前に、人知れず球根を植え、次に住まいする方の笑顔を想像する。


どんな時も後からやってくる人の為に、『人生という家』も美しい心持ちでいたい。


そんなことを考える「大雪」の夜です。